血糖状態と糖尿病の関係

糖尿病は、インスリンの量や作用が欠乏して、高血糖状態が続く病気です。この高血糖を治すのが糖尿病の治療ですが、それには血糖を下げる飲み薬やインスリ ンを使うことが少なくありません。これが効き過ぎて血糖が下がり過ぎるのが低血糖です。糖尿病では、低血糖に注意しなければならないことがあります。

薬物療法を行うときに注意が必要
糖尿病の薬物療法には、飲み薬とインスリン等の注射薬の二通りがあります。飲み薬の中で血糖を下げるスルホニル尿素薬は膵臓のインスリン分泌力を強め、インスリン注射は欠乏しているインスリンを体外から補うことでコントロールを助けます。ところが人間のからだが必要とするインスリンの量は常に一定しているわけではありません。食事の量や食事の間隔、運動量などによって変わります。飲み薬やインスリン注射では、こうした生活リズムの微妙な変化に対応できません。そのため、時として飲み薬やインスリンが効き過ぎて血糖値が必要以上に下がってしまうことがあります。これを低血糖といいます。薬物療法、なかでもインスリン注射をしている患者さんは、とくに低血糖に注意が必要です。

糖尿病では血糖値を上げる力も欠乏している
糖尿病の患者さん、とくに1型糖尿病の患者さんが低血糖になる原因としては、血糖値を上げる作用のある、拮抗ホルモン(グルカゴン、アドレナリンなど)の分泌能力が低下していることもあげられます。健康な人の場合、血糖値が下がってくるとグルカゴンなどの拮抗ホルモンが分泌され、血糖レベルを正常(70mg/dL以上)に保とうとします。しかし糖尿病では、インスリンの分泌能力と同様に、拮抗ホルモンの分泌能力も低下していることが多いので、これができません。